認証取得は厳密な手順が求められ、その全体像を把握していることが成功の鍵となります。

取引先からISO9001の認証取得を求められることや、社内の品質管理体制を向上したい場合に、ISO9001の認証取得を目指すことになります。

一体どのようにすれば、ISO9001の認証の取得が可能なのでしょうか。今回は、ISO9001の認証取得方法や手順について解説します。

そもそもISO9001とは?

ISOとは国際標準規格を指し、ISO9001は品質管理のシステム(品質マネジメントシステム)の規格です。認証を取得することで、取引がスムーズに行えるようになるメリットがありますが、審査費用や書類の作成・保管にかかる手間がデメリットとして挙げられます。

ISO9001に関する詳細は、以下の記事で確認できます。

ISO9001image

Step1. はじめに

初めに、全体的な計画作成からスタートします。計画の要素は大きく5つに分類されます。まずは全体スケジュールの作成です。品質管理のマネジメントシステムの企画・構築には約3ヶ月から5ヶ月が必要とされ、その後の運用と問題点のチェックにはさらに3ヶ月から半年かかります。そのため、ISO9001認証取得までには通常、半年から1年が必要とされます。組織の具体的な状況を考慮し、適切なスケジュールを設定することが求められます。

具体的にどのような点を踏まえて、品質管理のマネジメントシステムを企画していけば良いのかについては、ISO9001の要求事項を参考にしながら、自社に合った運用を検討していくことになります。

ISO9001の要求事項の全体像を掴みたい方は以下の要約記事を参考にしてください。

iso9001needs

Step2. 社内責任者・審査機関等の選定

次に、社内責任者の選定を行います。全体の指揮や審査機関・外部協力会社とのコミュニケーションを担当する方を選ぶ必要があります。この選定は組織全体の認証取得を円滑に進めるため、非常に重要なステップとなります。

審査機関の選定も重要なステップです。数多く存在する審査機関から最適な機関を選ぶためには、それぞれの見積もりを比較検討することが有効です。

また、外部のコンサルティング会社に支援を依頼するかどうかも決定する必要があります。適切な支援会社を選ぶことで、効率的な認証取得につながります。

Step3. 予算組み

最後に、予算の組み立てを行います。審査費用、コンサルティング会社への費用、品質管理に必要な設備投資などの費用を見積もり、全体の予算を策定します。

Step4. マニュアル・規定・帳票作成

計画が出来上がったら、品質管理のマネジメントシステムを構築するための規定やマニュアル、帳票の作成を進めます。ISO9001の要求事項に準拠した内容を網羅することが必要です。

Step5. 運用記録と振り返り

その後は、作成した規定・マニュアル・帳票を実際に運用し、運用記録をつけていきます。この実績が審査の際に重要となります。

運用が軌道に乗ったら、内部監査員が運用記録を元に、ISO9001の要求事項に適合しているか、規定通りに運用されているかをチェックします。また、運用が品質管理の面で有効性があるかどうかも評価します。

全体の過程を通じて、PDCAサイクルを回すことが重要です。内部監査の結果から得られた情報をもとに改善していき、組織全体の品質向上に努めます。

最後に、実際に審査を受ける

最後に審査機関による一次審査、二次審査を受け、ISO9001認証取得に至ります。認証取得後も、ISO9001の要求事項に適合した品質管理を維持するため、定期的な更新手続きが必要です。

以上がISO9001認証取得に向けた具体的な手順となります。組織全体の認識統一と適切な計画作成が成功への道筋を描く第一歩となります。

また、これからISO9001のための品質管理のマネジメントシステムを構築する際には、あらかじめ紙を使用しない運用を想定することも視野に入ります。紙運用のために発生する業務コストを削減することができるからです。

ISO9001の認証取得の際は、運用が全面的に見直されることから、紙運用から電子化・ペーパーレス化することにとても適したタイミングとなります。

ISO文書の電子管理、ペーパーレス化については、自社で記録報告用のアプリケーションを開発・用意するか、他社が既に開発した記録報告用のシステムを導入するケースが多いです。

ISO書類の電子管理で紙業務をなくすことができる

ISO活動の継続には、厳密な文書管理が避けられません。ここからは少し補足として、ISO書類の電子管理について解説することで、ISO9001にまつわる管理業務の課題の解決に貢献できればと思います。

紙業務による現場負荷

品質管理には記録がつきもので、記録によって生じる紙書類のために付帯業務が増えることが想定されます。

例えば一部にはなりますが、印刷作業をはじめ、記録した書類に対して承認をもらうために上長の元に持っていく手間や後から書類を探す際に膨大な手間がかかることが挙げられます。

ペーパレス化の際の選択肢

ペーパーレス化を図る際、選択肢として挙げられるのは、

①自社で記録報告用のアプリケーションを開発・用意する

②他社が既に開発した記録報告用のアプリケーションを導入する

上記のいずれかの選択肢になるかと思います。

紙書類に記録し、エクセルに転記するという二度手間をなくすために、記録時にタブレットやスマートフォンを用いて、直接現場で記録作業を全て完了させることで、業務効率化を図ることができます。

①自社で記録報告用のアプリケーションを開発・用意する

自社で記録報告用のアプリケーションを開発する際のメリットは、自社の業務要件にあったアプリにカスタマイズできることにあります。

デメリットとして、開発期間やそれに伴う開発費(エンジニア人件費)や開発後のメンテナンス・アップデートのための開発コストが発生することや、自社に開発ノウハウがない場合に外部の開発会社を頼る必要がある点が挙げられます。

例えば、生産管理系のスマホアプリの場合、外注費の平均は1,377万円であるとされています。
出典元:https://www.biz.ne.jp/matome/2003591/

②他社が既に開発した記録報告用のアプリケーションを導入する

他社が既に開発した記録報告用のアプリケーションを導入する際のメリットは、契約形態が買い切りなのか、月額でシステム利用料金をお支払いするいわゆるサブスクなのかはさておき、自社で開発するよりも費用が抑えられる可能性が非常に高いことと、サブスク契約の場合はメンテナンス・アップデートの対応もサブスク費用に含まれる点や、既に用意されているもの使うため、初期構築さえすれば、即時現場で運用できるという点が挙げられます。

デメリットは、自社の業務要件に合致したアプリケーションではない場合には、工夫をしないと運用することが難しい点が挙げられます。

ですので、どの会社が提供しているアプリケーションを利用するのか検討する際には、記録時にどのようなフォーマットに対応しているのか、承認機能などはあるのか、エクスポートはできるのかなど、調査が必要になります。

ISO書類の電子管理アプリのご紹介

ISO書類の電子管理に対応したショルイラというサービスでは、タブレット・スマートフォンで記録した情報をクラウド上に保存することで、リアルタイムの情報共有・情報の検索が可能になっています。

ショルイラのような記録報告アプリを導入することで、以下のようなメリットがあります。

  • 自由に記録のためのチェックシートのフォーマットを用意することができるため、ISO9001において発生する記録書類を全て電子化でき、効率化することができる
  • 写真付き報告書が簡単にタブレット・スマートフォンで作成・提出できる
  • モバイルで記録時に異常値を判定して、記録者に対応内容を自動で指示・事後の対応もそのままモバイルで記録できることで、異常や対応内容の記録が容易に行え、ISO9001における品質管理の仕組みを洗練させることができる
  • 承認機能によって、電子書類にオンライン承認が行え、捺印リレーにかかっていたコストを削減し、書類の紛失リスクもゼロにできる

ショルイラは無料トライアル可能なため、自社の業務要件にマッチしているか気軽に確認できることも魅力の一つです。積極的に機能要望を取り入れ、改善を重ねている記録報告アプリのため、無料トライアル期間中に必要な機能が判明すれば、運営に要望を提出することで実装されるケースも多くあります。

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