ISO9001というものが何なのか、認証を取得する際のメリット・デメリットや、書類の管理ついて知っていますか?

この記事では、ISO9001の規格の要求事項の全体像について、分かりやすく解説しています。対象とするドキュメントは、「JISQ9001:2015 品質マネジメントシステム-要求事項」です。この要求事項のページ数がとても多いため、この記事で要約して内容をお伝えできればと思います。

原文:https://www.iso.org/standard/62085.html

日本語訳文:https://www.jisc.go.jp にて会員登録・ログイン後に検索して確認可能です。

そもそもISO9001とは?

ISOとは国際標準規格を指し、ISO9001は品質管理のシステム(品質マネジメントシステム)の規格です。認証を取得することで、取引がスムーズに行えるようになるメリットがありますが、審査費用や書類の作成・保管にかかる手間がデメリットとして挙げられます。

ISO9001に関する詳細は、以下の記事で確認できます。

ISO9001image

 

要求事項の全体像

以下に、ISO9001の要求事項の全体像を概説します。要求事項は序文から10章までの内容で構成されており、それぞれ以下のような内容になっています。

序文

ここでは、ISO9001の要求事項が基づく品質マネジメントの基本的な考え方や原則について解説します。計画(Plan)、実行(Do)、確認(Check)、行動(Act)のPDCAサイクルについても触れ、その重要性と適用方法を説明します。

1章〜3章

3章までは、ISO9001の適用範囲が定義されます。また、ISO9001に関連する他の規格との関連性や、ISO9001の理解に重要な用語と定義について詳述します。これらの章で提供される情報は、規格の全体的な理解を助けるための基盤を提供します。

4章

この章では、ステークホルダーを明確に特定し、その期待や要求を理解する方法を示します。さらに、品質管理の手順やマニュアルの作成について詳細に説明します。組織全体を通じて一貫した品質管理が重視されます。

5章

ここでは、経営層の役割と責任が強調されます。品質方針の確立、伝達、そして維持に関する指示が提供されます。リーダーシップの重要性が強調され、品質管理の成果を達成するための組織全体の方向性を示す役割が強調されます。

6章

品質マネジメントのプランニングや品質目標の確立について説明します。組織の業務計画と品質目標が整合していることを保証し、それらが全体的な経営戦略と一致していることを強調します。

7章

製造環境の適合性、品質管理上の要求事項の遵守、文書管理について解説します。これは製品の品質と一貫性を保証するための基盤となります。

8章

プロセスの計画、実施、管理の手順を詳細に説明します。また、製品の合否判定の方法、顧客の声の収集と対応の方法、そして製品のリリース手順についても説明します。この章では、組織が品質の高い製品やサービスを提供し続けるための具体的な方法が提供されます。

9章

監視、測定、分析の方法とマネジメントレビューについて説明します。これは組織が品質マネジメントシステムを適切に維持し、その有効性を評価し、必要な場合には改善するためのフレームワークを提供します。

10章

改善の機会を設け、是正措置の有効性を評価し、継続的な改善を進める方法について説明します。これにより、組織は品質マネジメントシステムを常に改善し、競争力を維持するための戦略を展開します。

以上がISO9001における、要求事項の内容になります。

しかしながら、これはあくまで要点を抽出したものであり、全てを網羅したものではありません。それぞれの章で詳しく説明される内容は多分にあります。それらを参照しながら、自社に合ったISO9001認証取得・運用のための設計業務に活かしてください。

ちなみに、ISO文書の電子管理、ペーパーレス化については、自社で記録報告用のアプリケーションを開発・用意するか、他社が既に開発した記録報告用のシステムを導入するケースが多いです。

ISO書類の電子管理で紙業務をなくすことができる

ISO活動の継続には、この記事で説明した要求事項を満たす運用の設計だけではなく、厳密な文書管理が必要になり、避けられません。ここからは少し補足として、ISO書類の電子管理について解説することで、ISO9001にまつわる管理業務の課題の解決に貢献できればと思います。

紙業務による現場負荷

品質管理には記録がつきもので、記録によって生じる紙書類のために付帯業務が増えることが想定されます。

例えば一部にはなりますが、印刷作業をはじめ、記録した書類に対して承認をもらうために上長の元に持っていく手間や後から書類を探す際に膨大な手間がかかることが挙げられます。

ペーパレス化の際の選択肢

ペーパーレス化を図る際、選択肢として挙げられるのは、

①自社で記録報告用のアプリケーションを開発・用意する

②他社が既に開発した記録報告用のアプリケーションを導入する

上記のいずれかの選択肢になるかと思います。

紙書類に記録し、エクセルに転記するという二度手間をなくすために、記録時にタブレットやスマートフォンを用いて、直接現場で記録作業を全て完了させることで、業務効率化を図ることができます。

①自社で記録報告用のアプリケーションを開発・用意する

自社で記録報告用のアプリケーションを開発する際のメリットは、自社の業務要件にあったアプリにカスタマイズできることにあります。

デメリットとして、開発期間やそれに伴う開発費(エンジニア人件費)や開発後のメンテナンス・アップデートのための開発コストが発生することや、自社に開発ノウハウがない場合に外部の開発会社を頼る必要がある点が挙げられます。

例えば、生産管理系のスマホアプリの場合、外注費の平均は1,377万円であるとされています。
出典元:https://www.biz.ne.jp/matome/2003591/

②他社が既に開発した記録報告用のアプリケーションを導入する

他社が既に開発した記録報告用のアプリケーションを導入する際のメリットは、契約形態が買い切りなのか、月額でシステム利用料金をお支払いするいわゆるサブスクなのかはさておき、自社で開発するよりも費用が抑えられる可能性が非常に高いことと、サブスク契約の場合はメンテナンス・アップデートの対応もサブスク費用に含まれる点や、既に用意されているもの使うため、初期構築さえすれば、即時現場で運用できるという点が挙げられます。

デメリットは、自社の業務要件に合致したアプリケーションではない場合には、工夫をしないと運用することが難しい点が挙げられます。

ですので、どの会社が提供しているアプリケーションを利用するのか検討する際には、記録時にどのようなフォーマットに対応しているのか、承認機能などはあるのか、エクスポートはできるのかなど、調査が必要になります。

ISO書類の電子管理アプリのご紹介

ISO書類の電子管理に対応したショルイラというサービスでは、タブレット・スマートフォンで記録した情報をクラウド上に保存することで、リアルタイムの情報共有・情報の検索が可能になっています。

ショルイラのような記録報告アプリを導入することで、以下のようなメリットがあります。

  • 自由に記録のためのチェックシートのフォーマットを用意することができるため、ISO9001において発生する記録書類を全て電子化でき、効率化することができる
  • 写真付き報告書が簡単にタブレット・スマートフォンで作成・提出できる
  • モバイルで記録時に異常値を判定して、記録者に対応内容を自動で指示・事後の対応もそのままモバイルで記録できることで、異常や対応内容の記録が容易に行え、ISO9001における品質管理の仕組みを洗練させることができる
  • 承認機能によって、電子書類にオンライン承認が行え、捺印リレーにかかっていたコストを削減し、書類の紛失リスクもゼロにできる

ショルイラは無料トライアル可能なため、自社の業務要件にマッチしているか気軽に確認できることも魅力の一つです。積極的に機能要望を取り入れ、改善を重ねている記録報告アプリのため、無料トライアル期間中に必要な機能が判明すれば、運営に要望を提出することで実装されるケースも多くあります。

ショルイラでのISO書類の電子管理に興味のある方は、こちらの詳細なページをご覧ください。

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